ここから本文エリア

現在位置:高校野球>奈良大会> 記事

奈良大会ニュース

兄の助言で吹っ切れた 安田主将「最高のチームでした」

2010年08月13日

(高校野球 履正社4―1天理) 3点を追う9回。最後の攻撃に入る前、円陣の真ん中で安田紘規主将は声をかけた。「楽しんでやれば、絶対何とかなるから」。そう思えるようになったのは一つ上の兄・大格(だいかく)さんのアドバイス。昨年、春夏連続で甲子園出場を果たしたPL学園の主将だった。

写真7回のピンチでマウンドの沼田優雅投手(左)らに声をかける安田紘規主将=水野義則撮影

 幼い頃からいつも一緒で、頼れる存在。小学校3年生のころ、兄の背を追って野球を始めた。でも、PLではなく天理に進学した。「ずっと一緒だった兄貴に守られてきた。一緒の高校だと自分が甘えてしまう」からだ。

 主将になっても兄に頼ることはなかった。「自分たちのチームをつくりたい」と思った。昨秋の県大会前、部員の不祥事で森川芳夫監督が謹慎。県大会出場も危ぶまれたが、「出場できると信じて、いまできることをやろう」と選手に声をかけ、選抜大会出場にこぎ着けた。

 今夏の奈良大会。「負けたら終わり」。安田君は生まれて初めてプレッシャーを味わった。主砲としていつもの勝負強さが影を潜めた。煮詰まった最後の最後、観戦に来た大格さんに高校入学後初めて悩みを打ち明けた。「プレッシャーはおれにもあった。楽しむことを忘れるな」。吹っ切れた安田君に準々決勝以降、快音が戻った。

 履正社戦前夜の宿舎。「このチームでできる最後の大会。悔い残さんように楽しんでやろうや」と確認した。敗退した選抜大会や春の近畿大会、奈良大会で課題だった失策は、この日はゼロ。でもあと一本が出なかった。

 「コントロールがよくて、甘くない球に手を出した」。安田君も6回に強烈な左中間二塁打を放ち、好機を広げたが、8回の打席は外角の直球を引っかけ、併殺に。「ここが試練だと思ったけど、乗り越えられなかった」

 兄と同じ主将として春夏連続で甲子園に来た安田君。「4番なのにチャンスに打てず、頼りない主将かもしれない。けど、最高のチームで楽しかった」(岸上渉)


ここから広告です
広告終わり

このページのトップに戻る