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宮城大会ニュース

仙台育英、本塁打で一矢 興南に敗れ8強入りならず

2010年08月18日

 強豪を相手に、堂々とした戦いぶりを見せた。仙台育英は大会11日目の17日、春夏連覇を狙う沖縄代表の興南に1―4で敗れ、8強入りはならなかった。先発田中は序盤に失点を重ねたが、継投したエース木村が本来の投球を取り戻し、好救援。けがをおして出場した三瓶が大会屈指の好左腕・島袋から本塁打を放つなど、チームは主将井上を中心に、最後まであきらめない攻めの姿勢を貫き通した。

写真仙台育英―興南 2回表仙台育英無死、三瓶は中越え本塁打を放つ。投手島袋、捕手山川=日刊スポーツ
写真4回から登板した仙台育英の木村投手=長島一浩撮影

■7回の好機、あと1本出ず

 仙台育英がエース木村の踏ん張りで、強打の興南と互角に渡り合った。

 今大会初先発の田中は低めを丁寧につく投球。だがコンパクトにバットを振り抜く興南に序盤は毎回、先頭打者の出塁を許す。1回表には4本の単打で、2点を失った。

 育英は直後の2回表、無死走者なしから三瓶が中越え本塁打を放ち、すぐさま1点を返した。だが興南の攻めは続き、2、3回にはいずれも四死球で出した走者を確実にかえされ、1点ずつ失った。

 木村は4回裏1死一、二塁のピンチに登板。1、2回戦では発揮できなかった伸びのある直球と鋭く変化するスライダーをコースに投げ分け、被安打1に抑えた。

 反撃の好機は7回。日野の左中間二塁打に二つの四球を絡め、2死満塁としたが、あと一本が出なかった。

■毎回奪三振、エースの意地

 「よっしゃ。やっと出番が来た」

 興南(沖縄)に4点を奪われて迎えた4回裏1死一、二塁のピンチ。木村謙吾(3年)は先発田中一也(同)からマウンドを引き継いだ。

 伸びのある直球に落差のある変化球。それを効果的に織り交ぜ、打者2人を連続三振に仕留めた。ベンチに向かう際、木村は拳を握って左腕を突き上げた。その表情は自信にあふれていた。

 「『背番号1』の自分がチームを引っ張らないと」。先発した1、2回戦はプレッシャーを感じて力を出し切れず、計9イニングで12失点。この日も試合前の調子は、決してよくなかった。

 だが気持ちは違った。「不思議とやれる気がした」。前日のミーティングで佐々木順一朗監督から「甲子園に来られたのは木村のおかげだ」と言われ、吹っ切れたという。

 そして思った。「田中がいたから、甲子園でここまで勝ち上がってきたんだ」

 田中とは「2人でひとつ」の仲。田中が熱中症で倒れる宮城大会3回戦までは、田中―木村の継投でやってきた。田中が調子が悪いと木村がカバーする。その逆もあった。

 木村はこの日、最後まで集中力を切らさなかった。強打の興南を相手に4回3分の2を投げ、被安打1、毎回の6三振を奪う好投だった。

 試合が終わり、涙を流しながらベンチに戻る田中に、木村は駆け寄って声をかけた。

 「泣くなよ。お前のおかげでここまで来たんだ」

 本当は泣きたかった。でも頼れるエースに戻った木村は、ぐっとこらえて言った。「1人になったら、思い切り泣きます」(橋本佳奈)


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