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兵庫大会ニュース

夢をありがとう 逆転を信じ、スタンドもひとつに

2010年08月21日

 選抜の覇者・興南との対決。勝てば決勝の期待を胸に、報徳学園の一塁側アルプス席はこれまで以上の熱気に包まれた。全力を尽くし戦い抜いた選手たちに、スタンドからは割れんばかりの拍手が送られた。

写真アルプス席の前に整列した選手に、泣きながら「ありがとう」と叫ぶ野球部員=阪神甲子園球場
写真メガホンを振って応援する木下由美さん(中央)=阪神甲子園球場
写真応援に駆けつけた報徳学園OBで野球解説者の金村義明さん=阪神甲子園球場

 試合直前、グラウンドの選手たちがアルプス席に駆け寄り、スタンドを指さして「心は一つ!」と叫ぶと、応援団はメガホンを振りかざして「全員野球!」と応えた。

 1回の攻撃が始まると、応援団は校歌を合唱。中島一夢(はじめ)君(3年)が適時打を放って1点を先制すると、スタンドには大歓声が響き渡った。

 続く2回。先頭打者の木下裕揮君(3年)が中前に安打を放った。父親の豊さん(43)=西宮市=は立ち上がってメガホンをたたいた。

 木下君は大阪市平野区出身。報徳学園入学と同時に両親と一緒に学校のある西宮市に移り住んだ。豊さんは「あの子から野球をとったら何も残らない。親としてはとことんまで楽しんでもらいたかったから」と話した。

 木下君は3回にも中前安打で出塁。妹で私立堺女子高校(堺市)1年の由美さん(15)は、「打席に立っているお兄ちゃんは普段よりかっこいい」と喜んだ。

 しかし7回、先発のエース大西一成君(3年)が三塁打を浴びて同点。直後に勝ち越された。スタンドは一瞬静まりかえるが、すぐに「逆転の報徳」を信じ、部員たちが応援歌を熱唱した。

 最前列で祈るように試合の行方を見守っていた長谷場透さん(23)=西宮市=は、最終打者の越井勇樹君(2年)が三振に倒れると、そっと目を閉じた。

 透さんは長谷場隆君(3年)のいとこで、「プロを目指す隆を支えたい」と、専門学校に通ってスポーツトレーナーと柔道整復師になるための勉強をしている。

 「本当に良い試合をしてくれた。これからも応援していくことに変わりはないけれど、とりあえず3年間お疲れ様と言ってあげたい」

 この日は、報徳学園OBで野球解説者の金村義明さん(46)も応援に駆けつけた。金村さんは報徳学園が夏の甲子園で優勝した1981年、エースで4番を打っていた。「春の優勝校を相手に、素晴らしい戦いを見せてもらった」と話していた。(山崎聡)


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