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兵庫大会ニュース

〈球音〉報徳学園・田村、伸び伸び15歳

2010年08月20日

 (19日、報徳学園2―1新潟明訓) 立ち上がり。報徳学園の田村は、四球を与えてふと、気づいた。「これじゃ、前と一緒だ」

写真報徳学園―新潟明訓 8回途中まで1失点の好投を見せた報徳学園先発の田村=金川雄策撮影

 前回先発した1回戦、砺波工との試合でも先頭打者を死球で出していた。背番号11は考え直す。「思いっきり、強い気持ちでいくしかない」。吹っ切れた1年生の、一人舞台が始まった。

 めいっぱい腕を振る。「直球が走っていたので、いけると思った」と捕手の森田。ボールは高めに浮くが、伸びがあるから打者がバットを出してくれる。1回から4回まで毎回奪三振。球威は衰えず、7回には最速の142キロを記録した。

 完封が見えた8回、安打を集められて降板。しかし、3三振した新潟明訓・間藤が言った。「高めに手を出したら負けだと思っていた。でも、今日はみんな高めに手を出した」。相手の対策を上回る球で、先発の責任を果たした。

 「しかるところがない」が、永田監督の田村評だ。だから、「こじつけでしかっている」。前日もそうだった。練習前、「遠慮している。ユニホームから気合がほとばしるくらいやれ」。あいまいな言葉でも、田村は敏感に受け止めた。「確かに、先輩たちに隠れてやっていた。次に投げるときは、もっと自分を出そうと思った」。106球で、自己主張し尽くした。

 全国制覇した63回大会以来の準決勝では、選抜優勝の興南が待ちかまえる。「投げる機会があれば、また思いっきり向かっていきたい」。15歳に、失うものはなにもない。(山下弘展)


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