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〈球音〉広陵・有原、涙のストレート 勝負球悔いなし

2010年08月13日

 投げた瞬間だ。低い――。マウンドの有原が投じた82球目。外角低めを狙った直球は、指先にかかり過ぎた。147キロ。聖光学院の星のバットが空を切る。ところが、ショートバウンドしたボールは新谷のミットをかすめバックネット前に転がり、三塁走者の遠藤雅が生還。ついに広陵の堅い扉をこじ開けた。

 三振、暴投。まさかの決勝点に有原は、敗戦を受け止められなかったのだろう。試合後、笑みさえ浮かべていた。「甲子園で最高の投球が出来た。負けた感じがしない」とつい本音が出た。

 春以降、ひじを痛めた影響で広島大会では、球の切れを欠いたが、この日は序盤から快速球をビシビシと投げ込んだ。直球は常に140キロを超し、制球のいいスライダーが直球をさらに生かした。

 聖光学院の斎藤監督が「1球1球が見事」とうなるほどの内容だった。それでも、聖光にも4年連続出場の下地がある。したたかさを見せたのが7回だった。1死から遠藤雅が内野安打で出ると仕掛けた。

 三瓶の3球目にヒット・エンド・ラン。広陵ベンチも意図を察し、バッテリーは外角のボール気味に投じたが、三瓶が体を投げ出すようにバットに捕らえ、右前に運ばれた。「あれで苦しくなった」と有原が悔やんだ。

 今春の選抜準決勝。雨中の試合で力が発揮出来なかった悔しさを胸に、雨対策をしてさらなる高みを目指したが初戦敗退。「僕の一番自信のある球で勝負したから悔いはない」。1球に泣いた本格派右腕の目から涙がこぼれた。(井上明)

 8回2死二塁の同点機に空振り三振した広陵の丸子は未熟さを悔やんだ。聖光学院・歳内の球筋に徐々に目を慣らし、6回2死一、二塁では落ちる球を中前へ。だが、8回は同じ決め球にバットが空を切った。2年生の4番は「点が欲しくて冷静に見極められなかった」とうつむいた。

 ●新谷(広) 有原を支えた捕手。「暴投は、構えたところに来ると思って、ミットを動かすのが遅れた」


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