ここから本文エリア

福井大会ニュース

福井商、光った堅守 県勢またも2回戦の壁

2010年08月17日

 4万7千人。お盆休みの日曜日、満員の観客の拍手に送られ、福井商が甲子園を去った。同校にとって20回目で、北野尚文監督には最後の夏。小倉凌主将は開会式での選手宣誓も務めた。福井商の、特別な夏を振り返る。

写真報徳学園との試合後、グラウンドの土を集める福井商の選手たち=中里友紀撮影
写真福井に帰還し、花束を贈られた北野尚文監督=福井市乾徳4丁目

■堅い守備で流れ、攻撃には課題

 福井商が伝統的に誇る堅守が光った。特に1回戦のいなべ総合戦は、ピンチのたびに好守で流れを引き寄せた。

 4回に大きな当たりを背走しながら好捕した塩治拓真中堅手。8回にこの試合2度目の併殺を決めた衣目和生遊撃手と内山僚二塁手。いずれも走者を二塁まで進めながら出た好プレーだった。

 一方で打撃力には課題も残した。2試合で長打は3本。単打での攻撃を補うはずの犠打は計四つで、盗塁も1と機動力不足も否めない。

■2年生には大きな糧

 先発した三好巧真一塁手と近藤大地左翼手をはじめ、山方航太、大角元輝両選手の計4人の2年生がベンチ入りした。

 福井大会決勝で3打点と打撃好調だった三好選手は、甲子園でも両試合で安打を記録。報徳学園戦で2試合通してチーム唯一の盗塁を決めた。近藤選手も報徳学園戦の9回の守備で、俊足をいかして飛球を好捕した。大舞台での経験は、福井商にとって大きな糧になるはずだ。

■北野監督最後の夏

 甲子園出場決定の翌日にあった引退表明。「北野監督最後の夏」としても注目を集めた大会だった。

 初戦に勝利した10日夜、関係者を集めたささやかな祝勝会で、31個目のウイニングボールを最後までその手から離さなかった北野監督。2回戦で敗れ、「老兵は消え去るのみです」と少し寂しげに笑った。「いつももう少しのところで勝てない。甲子園は来るだけでも難しいが、勝つのはもっと難しいものです」

 福井県勢は2006年の福井商を最後に、2回戦の壁を突破できていない。3回戦突破は1997年の敦賀気比が最後だ。監督の言葉は、福井県の高校野球への宿題として残された。(笹川翔平)

    ◇

 福井商の選手らは16日、帰郷した。選手の父母や部員ら百人近くが、福井市乾徳4丁目の同校で選手を迎え、「最後の夏」を率いた北野尚文監督に花束が贈られた。

 午後4時半、選手らを乗せたバスが同校に到着。「よく頑張ったと声をかけたい」「言葉よりこうして(抱きしめて)あげたい」と、試合後初めての対面を心待ちにしていた父母らが拍手で迎えた。

 「本当は優勝して帰ってきたかった」という小倉凌主将は、「粘り強さを受け継ぎながら個性を生かして自分たちの野球を築き、僕たち以上の結果を残してほしい」と夢の続きを後輩に託した。

 北野監督は「もう甲子園の土を踏むことはないと思っていたが、選手が連れて行ってくれて1勝をプレゼントしてくれた。自分は本当に幸せ者だと思った」と話した。(荻原千明)


ここから広告です
広告終わり

このページのトップに戻る