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一番怒られた監督に恩返し 中京大中京・小木曽亮君

2010年08月10日

(高校野球 中京大中京2―1南陽工) 7回裏1死二塁、中京大中京の右翼手、小木曽亮君(3年)が打席に立った。相手は大会屈指の好投手。1回はフォークで三振を取られ、その後もフライや犠打の失敗でチャンスをつくれずにいた。何よりもチームはこの夏、初めて先制点を許していた。「ここで取り返さなくちゃ」と気合を入れた。

写真南陽工―中京大中京 7回裏中京大中京1死二塁、小木曽は左中間へ適時三塁打を放ち、敵失で生還し逆転=飯塚晋一撮影

 初球、フォークがすっぽ抜けた球が外角高めに来た。すかさず振り抜くと、打球は左中間へ。三塁を回り、送球が乱れるのを見ると、一気に本塁を突いた。ベンチで大藤敏行監督に「やりました」と言うと握手をしてくれた。この夏限りで引退する監督の期待に、こたえられたという思いで、笑顔がはじけた。

 大腿(だいたい)骨が変形するペルテス病を5歳で発症し、股関節に負担の大きい野球は禁じられていた。だが運動好きの血は抑えられず、サッカーチームに入る。中学で入った陸上部では棒高跳びにのめりこみ、県大会で優勝した。野球は土日にクラブでプレーをしていただけだったが、どちらを選ぶか迷った。中京大中京野球部OBの父稔さん(50)の「全国の頂点を目指すなら野球をやれ」との助言もあって、中京に進学した。

 そこで出会ったのが大藤監督。スポーツ万能の少年も、気を抜いたプレーには容赦なく雷を落とされた。「出て行け」としかられた後、「お前があんなプレーをしたら下級生がどう思うんだ」と諭された。

 「一番怒られ、一番かわいがってもらった。そして成長させてもらった」。その恩返しをするために、1回戦で終わるわけにいかなかった。

 5回、2死二塁で右前への打球をつかむと、ワンバウンドで本塁へ返球して刺した。大藤監督は「試合でポカもするし、大事なところで活躍したりもする。ひたむきで、かわいいやつです」と言う。

 先頭打者の一番の役割は、第1打席で相手投手をひるませる打撃をすることだと考えている。初戦の活躍に興奮した様子も見せながらも、「先頭打者としては全然だめだった。もっと自分が塁に出ないと」と次の試合に照準を定めていた。(工藤隆治)


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