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退部考えた走り込みの日々、夏に結実 碧南工の片山投手

2010年07月29日

(高校野球 中京大中京7―1碧南工) 9回、4点を許した。準決勝までの4試合を1人で投げ抜いてきた碧南工のエース片山武士君(3年)。この試合も先発したが、中京大中京の強力打線を相手に、疲れはピークになっていた。伊良皆高芳監督からマウンドに伝令が飛ぶ。指示は「最後まで投げきれ」だった。片山君はこれに応え、後続をうち取った。

写真ベンチ前で笑顔を見せる碧南工の片山武士君=岡崎市民、遠藤啓生撮影

 2年生の冬、片山君は伊良皆監督に退部を申し出たことがある。1年生から公式戦に登板する期待の投手だったが、その年の秋に伊良皆監督に交代すると、走り込みばかりを命じられた。登板機会はほとんどなくなり、毎日20キロ近くも走らされていた。

 「もう嫌だ」と食ってかかると、「自分勝手なことを言うやつはいらない。やめろ」と突き放された。

 その言葉が逆に持ち前の負けん気に火をつけた。春の県大会ではツメが割れても投げ続け、今大会の直前の6月まで長時間の走り込みに力を入れた。

 今大会の5回戦、成章戦では右手中指のまめがつぶれた。心配した捕手の山藤僚馬(りょうま)君(3年)がマウンドに駆けつけたが、「問題ない」と言い張って完投した。

 チームにとって初の準決勝。直球にいつもの球威はなかったが、丁寧に低めを突いた。2回から7回まで毎回得点圏に走者を背負う苦しい投球だった。だが牽制(けんせい)球を何度も挟んで呼吸を整えるなどして9回を終えた。

 「この大会は片山と心中するつもりだった。彼のおかげでここまでこられた」と伊良皆監督。片山君は「嫌というほど走ったから、ここまで投げられました」と満足した様子で語った。(加藤勇介)


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