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戦いに誇り「悔いなし」 加古川北・大西光起主将

2008年08月09日

<西兵庫代表 加古川北> 打球が、頭の上をぐんぐん伸びていく。6回表の聖光学院の攻撃。右翼を守っていた大西光起主将は、気がついたらライトフェンスをよじ登っていた。

写真主将の大西光起選手(手前)の掛け声を合図に試合前のあいさつに向かう加古川北の選手たち

 「絶対取ったる」。必死で伸ばした左手のグラブの先にボールは落ちた。本塁打。「あの時みたいやな」。帽子をぬいで天をあおいだ。

 昨年9月の秋季県大会の2回戦。1―2で敗れた報徳学園に勝ち越された一打も、右翼席への本塁打だった。チームに自信と悔しさを与えた試合で、「甲子園を目指そう」と口にするきっかけになった。

 大西は入学当初から「絶対甲子園に行きたい」と口にしてきた。中学3年の夏、自身の失策が決勝点につながり、全国大会を逃した経験がある。その年の夏休みは、家から出ることもできないほど落ち込んだ。負けた悔しさを知っているから、絶対に負けたくなかった。

 昨夏の新チーム結成時、先輩や監督から「一番勝利に貪欲(どんよく)だ」と主将に指名された。一方で、練習中にチームメートが真剣さに欠けると感じると、許せなかった。「お前らほんまに甲子園、行きたいんか」といらだちばかりが募った。練習に行くのも、学校に行くのもいやになった。

 「野球部辞めたいので、学校も辞めます」。昨年11月、福村順一監督に伝えると、思いがけない言葉が返ってきた。「お前がやめるなら、おれも学校やめる」。監督の真剣さに気づいた。そして一人で頑張っていると思い込んでいる自分にも気づいた。

 周りを見ると、それぞれに目標をこなす姿が見えてきた。休み時間もグラウンドでバットを振る仲間もいた。冬の目標だった10万スイングをチームみんなで達成させ、チームの一体感を実感した。

 甲子園は、力を十分に発揮できたとはいえぬまま終わってしまった。しかし試合終了後、自然と笑顔がこぼれた。「ここまで来られて良かった。悔いはありません」。一緒に戦ってきた仲間とともに、加古川には胸を張って帰れると思う。(渡辺芳枝)


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