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ベンチ入りメンバー唯一の「文理コース」 横浜・工藤選手

2008年08月18日

<南神奈川代表 横浜> 甲子園最後の試合、出番はなかった。

写真守備練習でボールをさばく横浜の工藤悠介選手

 横浜の背番号13、工藤悠介君(3年)は最後の打者、大石竜太君(1年)のバットを拾い、片づけてから整列に加わった。号泣していたが、それが仕事だと思っていた。

 高校の「文理コース」に所属するのは、ベンチ入りメンバーでは工藤君だけ。その他の選手は部活動を優先できる「特性コース」だ。平日は他の部員と比べ、授業は1時間長い。練習にはいつも遅れて入った。レベルの高い野球部の中で、勉強も両立したいと続けてきた。

 帰宅は午後11時ごろだったが、短時間でも机に向かった。社会が得意で、評定平均は4.2。勉強でも、野球でも「一番まじめで努力家」(渡辺元智監督)だ。

 今春の選抜大会も控え一塁手としてベンチ入りしたが、大石君が入ってきたことで、春の関東大会からベンチを外れた。南神奈川大会のベンチ入り20人の登録にも、6月の段階では名前はなかった。

 落ち込み、あきらめかけたが、父・桂樹さん(48)から「1%の可能性を捨てるな」と励まされた。

 7月、メンバー変更で背番号19を獲得。南神奈川大会では正一塁手の筒香(つつごう)嘉智君(2年)が不調で、終盤の守備固めで出場。背番号13となった甲子園でも、4試合に途中出場し、大観衆の前でプレーした。

 「ここまで来られて満足しています」。渡辺監督の評する「高校生らしいチーム」の、象徴ともいえる選手の夏も終わった。


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