ここから本文エリア

現在位置:高校野球>第90回選手権>静岡> 記事

常葉菊川「悔いなし」 振り切る打撃で準優勝

2008年08月19日

<静岡代表 常葉菊川> 82年ぶりに深紅の大優勝旗を静岡に持ち帰る夢は、かなわなかった。大阪桐蔭の猛攻の前に大差で敗れ去った常葉菊川。それでも、強力打線が何かを起こすのではないかという予感を最後まで甲子園のファンに抱かせた。「悔いはない。僕らの野球でここまで来られた」。選手たちは胸を張って甲子園を後にした。

    ◇

 攻撃力が看板のチームが守勢に回った時のもろさが出た一戦だった。

 常葉菊川は1回、戸狩が大阪桐蔭の佐野以下に3連打を浴び、1死満塁のピンチを招く。ここで5番奥村にストライクを取りに行った真ん中低めの直球をバックスクリーンにたたき込まれた。低めといっても、球速は112キロにとどまる球だった。

 3、5回にも1失点を重ねた後の6回。4回から救援の2番手野島の球筋がそろってきたところを突かれた。1死一、三塁から萩原に真ん中高めのスライダーを右前安打された。さらに四死球や内野守備の乱れも出て、福島由に2死満塁から走者一掃の左中間二塁打を浴びるなど一挙6失点。守勢一方になった。

 準決勝まで1試合平均9.55得点を誇った打線は、大阪桐蔭のバッテリー福島由―有山に徹底して低めを突かれて沈黙した。焦りもあったのか、27アウト中、内野ゴロは14、見逃し三振4。思い切りよく振り切る打撃スタイルが結果的に空回りした。

    ◇

 佐野監督は「1点差も20点差も負けは負け。同じですから」とつぶやきながら汗をぬぐった。表情はややこわばっていた。0―17という得点差だけではない。安打数も5本対21本。看板の打線は不発に終わった。

 4番打者の中川は「相手の投手は内外角にきちっと投げてきた。球に力があったし、今まで対戦した投手の中では2番目にいい投手だった」と振り返った。ちなみに、1番は前年の選抜大会で対戦した仙台育英の佐藤由規(現ヤクルト)という。

 大阪桐蔭の有山捕手は、6月の練習試合で対戦した時のイメージを生かしていた。「常葉菊川の打線を抑えるポイントは徹底して低めを突くこと。球をベルトより下に集めた。高めの球は必ず打ち込んでくるから」

 振り切るのが身上の打線とはいえ、好投手を切り崩す糸口としてはミートを意識した打撃も一策だ。しかし「コツコツ当てるような打撃はうちのチームには似合わない。ああなってしまっては軌道修正はできない」と佐野監督。試合直後のつぶやきは、このチームカラーを見極めていたからこその言葉だった。


ここから広告です
広告終わり

このページのトップに戻る