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スクイズ 職人の粋 浦添商・上地俊樹選手

2008年08月16日

<沖縄代表 浦添商> ぽん、ぽん、ぽん。手で転がしたように、やさしくボールが三塁線に転がった。ゴロが三塁手のグラブにおさまった時、浦添商に待望の勝ち越し点が生まれていた。

写真浦添商―慶応 10回表浦添商1死三塁、上地俊(6)は決勝のスクイズを決める。投手田村=山崎虎之助撮影

 延長10回。勝負を決めた、上地俊の絶妙のスクイズだった。先頭の仲里が右中間を破って三塁打。1死後、打席が回ってきた。1球目。バントのそぶりをするも「待て」のサイン。2球目も三塁手は定位置から動かない。転がす場所は見つかった。

 3球目、サインが出た。「絶対に成功する自信はありました。ヒットを打てる打者ではない。その代わりバントはナンバーワンだと思っています」。あだ名は「バント職人」。大会記録となる今大会9犠打目が貴重な決勝点を生んだ。

 「上地なのでスクイズはあると思っていた」という仲里のスタートも光った。左打者の場面。捕手は三塁走者の動きが目に入りやすい。早くスタートを切れば、バッテリーに外される危険も高まる。それでも仲里は「上地を信頼していた」。打球が転がった瞬間、生還を予感させるほどの走りだった。

 神谷監督は笑う。「沖縄には沖縄尚学がいる。勝つために戦法を研究し防ぐ練習をしてきたら、こっちもできるようになった」。今春の選抜王者を好敵手に持つ強みだ。

 97年以来の4強入り。エースの伊波は万全ではない。それでも総合力での勝利に、仲村主将は「これでどんな試合になっても大丈夫」。夏、優勝のない沖縄勢の悲願達成へ自信を深めた1勝だった。(吉田純哉)


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