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先制の倉敷商、健在 エースの好投支えた堅守

2008年08月10日

 第90回全国高校野球選手権記念大会8日目の9日、倉敷商は初戦で佐賀商(佐賀)と対戦。エース木元の力投で完封し、同校に19年ぶりの甲子園での勝利と、県勢の春夏通算100勝目をもたらした。3回戦は大会12日目第2試合(13日午前11時開始予定)で、常葉菊川(静岡)と対戦する。

写真佐賀商―倉敷商 3回裏倉敷商2死二塁、近藤は左前適時打を放つ=細川卓撮影
写真完封勝利を挙げた倉敷商先発の木元=諫山卓弥撮影

 湯浅がノーサインで走った。3回2死。死球で出塁すると、次打者の近藤への2球目に俊足を生かした。岡山大会でも盗塁3個。「塁に出たら、とにかく次の塁を狙う」。湯浅が二塁上で揺さぶりをかける中、ファウル4本と粘る近藤が10球目を左前へ運んだ。湯浅が再び俊足を飛ばしてホームを駆け抜けた。

 「先制点が大事になる」。試合前、両チームの監督が口をそろえた。序盤の先制点を守る形で勝ち進んできた似た者同士。その、のどから手が出るほど欲しかった1点を、湯浅の足と近藤のチーム初安打がもぎ取った。

 「プレーボール」の声がかかると、木元は足が震えだした。顔には出さないようにしているが、上がり症。球場に着くと緊張の波が押し寄せ、満場の観客に驚いた。

 「普段は1球投げたら緊張が解けるのに、今日は違った」。腕が思うように振れず、ボール先行気味の投球。捕手からの返球を何度もこぼした。遊ゴロ、二飛、二飛。何とか1回を三者凡退に抑え、笑顔でベンチに戻ったが、「はきそうだった」。

 その後ろで、守備陣が堅守で木元をもり立てた。

 6回、死球出塁の走者を犠打と盗塁で進められ、1死三塁。一打同点の危機に、佐賀商の4番打者のゴロが二塁手新谷を襲った。だが、新谷は「ランナーは突っ込むと思った」と、捕球すると迷わず本塁へ好返球し、同点を狙った三塁走者をアウトにした。

 守りの良いリズムと先制点で木元は徐々に調子を上げた。追加点を取れない間も、「チャンスをつぶすと相手に流れが行く。自分がそこで抑えれば、また点を取ってくれる」と懸命に投げ続けた。

 7回、その木元に1死二塁で打席が回った。「自分が点を取れば、楽になれる」。待っていた内角の直球に反応し、思い切りバットを振った。一塁線を打球が抜けると、木元は走りながら右手でガッツポーズ。代走の白神をかえし、2点目を奪った。

 9回は「ここを抑えれば勝ちだ」と、攻めの気持ちを前面に出し三者凡退にしとめた。

 「まさか甲子園で完封できるとは思わなかった」と木元。常葉菊川戦でも緊張するかもしれない。「けれど絶対楽しい試合になるから、プラス思考でいきたい」。(上田真美)


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