ここから本文エリア

現在位置:高校野球>第90回選手権>奈良> 記事

智弁、しのいだ気迫 近畿対決、次は報徳戦

2008年08月04日

 智弁学園が9回連続の初戦突破を決めた。エース阪口剛投手は打球がひざに当たって一時退場しながらも、完投。最終回、1点差で満塁のピンチも逃げきった。2回戦は10日の予定で、劇的なサヨナラ本塁打で勝ち上がった強豪、報徳学園(東兵庫)と対戦し、再び近畿対決となる。

写真智弁学園―近江 7回表智弁学園2死二塁、茂山は左越えに2点本塁打を放つ=西畑志朗撮影

 ◎…2回表、2死二塁。打席は先発の中で唯一の2年生、辻大志君。「先輩たちが作ってくれた好機、必ず打つ」。7球目のスライダーを振り抜くと、打球は二塁手の頭上へ。「行けー」。中前に落ち先制の適時打となった。「少し(体が)泳いだけど、ハートでもって行きました」

 県大会準決勝で、同じ2年生で二遊間を組んでいた稲森翔大君が負傷。県大会決勝とこの日の試合を欠場した。「出られないあいつの分も頑張りたい」と、県大会決勝から稲森君のヘルメットをかぶって打席に立ち始めた。「ちょっときついけど。適時打はあいつが打たせてくれた」

 8、9回と続いた満塁のピンチ。再三、マウンドの阪口投手に声をかけた。「スマイル、スマイル」9回2死満塁で最後の打球が来た。「何とか前で止めよう」。難しいバウンドのゴロだったが、落ち着いて一塁に送球した。「これからも出られないメンバーのため、思い切りプレーしたい」とはじける笑顔で語った。

 ◎…1点リードされて迎えた6回表。先頭の蔵合惟君が二塁打で出塁。続く打者は捕手の土井翔平君。「相手バッテリーは右方向に打たれたくないはず。絶対インコースで勝負してくる」。読み通り来たインコースの直球をたたくと、打球は詰まりながらも三遊間を抜けた。左翼手が処理をもたつく間に蔵合君が生還し、同点に追いついた。

 続く7回2死一塁の場面も、読みが当たった。内よりの直球をたたくと強風にも乗り、フェンスを直撃する勝ち越しの適時二塁打。「あれは読んでないと打てません」。捕手の経験が功を奏した。

 リード役としても阪口君の変化球を効果的に使い、近江打線に的を絞らせなかった。9回、阪口君が打球をひざに当てて負傷したが、「自分が逆の立場だったら絶対出る。必ず出てくる」と信じた。「接戦を勝てたのはこれまでの練習の成果。県大会での経験も生きた」と振り返った。

 ◎…7回表1死、走者なし。打順は1番で主将の米田祥史君。前の3打席は近江のエース小熊凌祐君のスピードのある直球に押され、いずれも凡退。1番打者として好機を作れずにいた。「自分が出れば点が入る。何としても出る」。2―1と追い込まれながらも甘く入ったスライダーを逃さず、中前に運んだ。

 2死後、3番土井君の打球は左中間フェンスを直撃。「絶対に本塁へかえる」。ギリギリのタイミングとも思ったが、迷わず三塁を回った。前に出ている捕手の姿が視界に入った。バックネット側に回り込むように滑り込み、タッチしようとする捕手のミットをかわして指先をホームに伸ばした。責任感の強さと思い切りのよい判断が、貴重な勝ち越しをもたらした。

 「今日は相手投手を打ちあぐねた。次は打ち勝ちたい」。試合後の言葉は力強さにあふれていた。(土肥修一)


ここから広告です
広告終わり

このページのトップに戻る