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第90回全国高校野球選手権記念大会

球児を支える仲間たち

生きる力くれた仲間 楊志館マネジャー・大崎耀子さん

2008年07月06日

 <大分大会> 

写真三塁ベンチで試合を見つめる楊志館のマネジャーの大崎耀子さん=5日、新大分球場

 初めて座った夏の大会のベンチは、とても熱かった。まぶしい日差しや土のにおい、選手の声、汗……。すべてがすぐそばにあった。「絶対に勝とうね」。試合前にそう言って、選手たちと自分を励ました。

 昨夏、楊志館は県予選をノーシードから勝ち上がり、初出場の甲子園でもベスト8入りを果たした。その活躍を、当時は入院していた病室のテレビでずっと眺めていた。

 病室には、試合に勝つたびに、寄せ書きがびっしりと書き込まれたボールが届けられた。「元気になれよ」というメッセージと、テレビに映る選手たちのはつらつとしたプレーが、生きる力をくれた。

 昨年の11月に退院し、部活に復帰した。「私も甲子園に行きたい」という夢が、体を動かした。グラウンドに行くと、不思議と元気が出た。

 試合は4回裏、連続安打と相手の失策で2点を挙げ、2点差まで詰め寄った。隣の太田千尋(ちひろ)と笑顔でハイタッチを交わして喜び合った。「まだまだここからだよ」

 でも、勢いに乗った国東の攻撃は止められなかった。次第に点差が開き、ベンチにはため息がもれるようになった。9点差が開いた8回裏は、目を閉じて胸の前で手を合わせて祈った。

 試合終了後、ベンチ前に整列すると、左隣に並んだ主将の佐藤翔司が「あっこ、ごめん」と言って肩に手を置いた。「あやまらないで」と言おうとしたのに、涙が止まらなくなった。

 願いがかなって、みんなと一緒に迎えられた夏は、あまりにも短かった。それでもこう思う。「一生懸命がんばるみんなの姿が、きっとこれからも私を支えてくれる」


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