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エースの信頼に奮起 宮崎商・永田龍太郎捕手

2008年08月11日

<宮崎代表 宮崎商> 延長に入り、マウンド上の赤川の異変に気付いた。「球が浮いている」。球威はあったが、制球が乱れ始めた。12回、不安は的中した。構えたミットより高めに入った直球を先頭打者に中前に運ばれた。2アウトを取ったが、死球で得点圏に走者が進んだ。

写真鹿児島実―宮崎商 12回表鹿児島実に勝ち越しを許し、マウンドで赤川投手に声をかける永田捕手

 「ピンチに飛び込め」。マウンドに駆け寄り、いつものように笑顔で励ました。苦しさから逃げようとするより、飛び込んだ方が勝負強くなれると思うからだ。

 だが、ストライクを取りにいった直球が狙われ、連続適時打。さらに低めのスライダーを左翼線に運ばれた。「勝負を急ぎすぎた」と悔やんだ。

 小学校から捕手。高校に入って赤川の球を初めて受けた。ぐんと伸びる直球に驚き、「すごい投手になる」とワクワクした。

 予想通り、赤川は急成長した。3年春の公式戦では最速147キロを記録。「本格派左腕」と注目を集めた。だが、ここぞの場面で弱気になる。打ち込まれるたびに「自分のリードが悪い」と責任を感じてきた。

 宮崎大会直前、帽子のつばの裏にレギュラーのみんなからメッセージを書いてもらった。赤川はハート付きの相合い傘で「永ちゃん」「克紀」。恥ずかしい半面、その「信頼」がうれしかった。

 「(赤川)克紀がいたから、今の自分がある」。終盤、疲れが出始めていた赤川を見て「何とか早く楽にしてやりたい」と奮起した。

 9回、カーブを中前にはじき返して出塁し、犠打で二塁まで進んでサヨナラの好機を作る。次の打席の11回にも中前安打を放ち、勝利をたぐり寄せようとした。

 試合が終わり、つらかった冬のトレーニング、激戦続きだった宮崎大会の思い出が去来した。「ありがとう」。そんな言葉が頭に浮かんだ。


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