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おれ、最高にツイてた 宮崎商・黒木一気選手

2008年08月11日

<宮崎代表 宮崎商> 試合開始が迫ったベンチ前。両手につけた甲子園の土を、洗顔料のように塗りつける。真っ黒になった丸顔が、白い歯を見せて円陣の中央に立った。自分の顔を指しながら、「ついてる! ついてる! おれたち、ツイてる」。

写真顔に土をつけて笑顔でベンチに向かう宮崎商の黒木一気選手

 「土化粧」は宮崎大会の初戦からやっている。円陣を組むときに、突然、中央に立てとみんなに言われた。緊張でこわばる仲間の顔を見て「和ませなきゃいけないな」と、思いつきで顔に土を塗ったら、円陣が爆笑の輪に。土が「ついてる」と、ラッキーの「ツイてる」を掛けたコールも、縁起がいいとウケた。

 最後の夏に、初めてつかんだベンチ入りだった。打撃も守備も下手だから、誰に言われなくても、ムードメーカーが仕事だと分かっていた。

 「ツイてる」と連呼するけど、特別運がいいわけじゃない。せいぜい、道を渡る時、青信号が多いかなと感じる程度。でも、主将の池田は「イッキの笑顔を見ていると、いいことが起こりそう」と言ってくれる。

 この日は7回と12回のピンチに伝令へ。みんなの期待通り、笑顔でマウンドへ駆け寄った。「いける。ツイてる」。そう声を掛けたら、みんなも笑顔になった。

 だけど、12回は試合の流れを変えることはできなかった。試合後、相手の校歌が流れると、悔し涙がこぼれた。ふと、思った。「みんなと、こんなに長く野球ができた。おれ、最高にツイてた」


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