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高知、光った猛追 あきらめぬ心、聖地で開花

2008年08月08日

<高知代表 高知> 勝敗を分けたのは、勝利への執念、わずかな集中力の差だったのか。5点差を追いつきながら、広陵(広島)に終盤、突きはなされた高知。悔しさを胸に、甲子園勝利を目指して、新たなスタートを切る。

写真広陵―高知 7回裏高知無死二、三塁、木下は同点となる左越え二塁打を放ち、ベース上でガッツポーズ

 140キロを超える直球とシュートを柱に、高知大会21イニングで3点しか奪われなかったエースの制球力が、微妙に狂っていた。

 「絶対に許したくなかった先制点を与えて焦った」。広島大会6試合で63得点の広陵打線を3回まで、無得点に抑えていた松井佑二だったが、4回2死二、三塁から真ん中に入った変化球を右中間に運ばれ2点を奪われると、それまできわどいコースをついていた制球が決まらなくなった。続く打者に初球を右前へ運ばれ、さらに連続三塁打を浴び、この回計5点を失った。

 試合開始直後、広陵のトップバッターに中前安打を許し、次打者に1球を投げたところで、雨のため44分間中断したが、集中力を切らさず再開後、2死三塁のピンチも切り抜けるなど好調だっただけに悔やまれる「焦り」だった。それでも、5回表、島田達二監督から「あと1イニング抑えてこい」と送り出されると、2番、3番打者を得意のシンカーで連続3球三振にとり、味方の反撃を呼び込んだ。

 反撃の主役は2年生たちだった。6回裏、無死三塁から捕手で4番の木下拓哉が、真ん中低めの変化球を思いっきり引っ張る適時打で、初得点。この後1死一、二塁とし、代打の西岡陸がカウント2―1と追い込まれながら外角のボール球のスライダーに食らいつき、右前へ適時打を放った。大会前に「自分が試合に出られるとしたら代打。1球にかけたい」と話していた西岡。「狙っていたのは直球だったけれど、とにかく必死だった」

 7回裏には無死二、三塁から木下の左越え2点適時二塁打でいったんは同点に追いついた。守りでも、6回から登板した2年生投手の公文克彦が、8回に制球を乱し3点を奪われた以外は、広陵打線を力ある速球で抑え込んだ。

 高知は01年春の選抜以来、甲子園で勝利していない。選手権となると79年までさかのぼる。島田監督自身、選手時代の90年選抜を含め春夏合わせて5回目の甲子園でも勝利をつかむことはできなかった。しかし、「これまで、先制点をとられると勢いがなくなっていた子どもたちが今日は最後まであきらめず攻める気持ちを持ち続けた。悔しいが、強豪とこんな試合ができたことは大きな収穫」と選手をねぎらった。

 この試合3安打した9番打者で三塁手の堺悠(3年)が、4回の守りで見せた三遊間を抜けそうなゴロを横っ飛びでキャッチし、「6点目」を阻止した好プレーなど、この日の高知の選手たちは、あきらめないプレーを随所にみせた。昨春夏の甲子園では、いずれの試合も最後の打者になり涙をみせた主将高木悠貴(3年)は、「今回は自分の力で甲子園に来られた。本当に悔いはない。来年こそ1勝を」と真っすぐ後輩を見つめた。


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