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高知の寮長 50人の「家」背中でみせた

2008年08月08日

<高知代表 高知> ふかふかで、でも、すごく動きやすくて――。試合前のノック。練習補助員として、外野の中継役で甲子園の芝生を踏んだ。小学生から野球を続けてきて良かったと、心の底から思った。

写真スタンドから声援を送った高知の西島奨真君

 2年生だった昨夏、背番号に負けないぐらい大事なものを手に入れた。野球部とサッカー部の計50人が暮らす学校寮の寮長。ふだんの生活、練習態度が評価されたものだが、みんなが自分の言うことを聞いてくれるかどうか、不安だった。6歳上と5歳上の姉がいる末っ子で、自分で引っ張るよりは、言われたことをしっかりこなす性格だ。

 「やるべきことを率先してやろう」と思った。部屋の掃除、ごみの分別。玄関のスリッパがちょっとでも乱れていれば、すぐ直す。ちゃんとやらない寮生がいても、怒鳴ったりはしない。「僕が怒っても、誰も気にしない。それより、やらなきゃいけない、と気づいてもらいたいから」

 6月、野球部員の1人が門限時間を破った。連帯責任で廊下に正座させられた。その部員が午前2時に戻ってきた時も、怒らなかった。ただ一言だけ、言った。「みんなに、謝っておけよ」。寮監の西村雅仁コーチは「この1年は、西島の性格のように穏やかだった。100点満点の寮長です」と言う。

 試合後ベンチを片づけながら、泣き崩れる仲間を見て思った。「生まれかわっても野球をやりたい。次は、試合に出る寮長だ」


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