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スタンド青一色 最後まで勝利願って 香川西アルプス席

2008年08月09日

<香川代表 香川西> 三塁側アルプス席がブルー一色に染まった。香川西は2年ぶり3回目の甲子園。バス18台、総勢650人の応援団が駆けつけた。チーム安打数は市岐阜商8本、香川西9本と互角で、シーソーゲームのような試合展開。1点差のまま終盤に入り、野球部員や生徒、保護者らは勝利を願って最後まで力いっぱい声をからした。

写真3回裏に1点を先制して喜ぶ香川西の野球部員たち=三塁側アルプス席

■地元有志ら演奏助っ人

 部員が少ない香川西の吹奏楽部に頼もしい助っ人が加わった。香川西がある三豊市などに住む吹奏楽部OBやアマチュアバンドに所属する19〜55歳の有志二十数人が集まった。代表の嶋田時夫さん(53)は多度津工出身。高校時代、夏が来ると野球部の応援にスタンドで演奏した。「高校野球は純粋でさわやか。香川のチームには頑張ってほしい」と後押し。

 3回裏の攻撃は2死二塁、斎藤の適時打で先制。「やったー」「よっしゃー」。歓声がわく。多度津町内の会社に勤める中西敏章さん(56)は会社を休んで演奏しに行きたいと申し出ると、上司は「地元のために、行ってこい」と許可をくれたという。市岐阜商の一塁側アルプス席は赤一色。中西さんは「赤と青対決で応援も負けられない」と一層力を込めた。

■後輩見守る元主将の姿

 三塁側アルプス席に、2年前に香川西の主将として甲子園に出場したウラム・エフェレディンさん(20)の姿があった。現在は龍谷大2年で野球部に所属し、このほどベンチ入りを果たした。

 2年前、自分が引っ張っていたチームの1年生がいま、グラウンドで頑張っている。子を見守る親の気持ち。2―2の同点に追いついた直後の6回表、2点本塁打で勝ち越しを許す。「あかん、野球はホームランが一番流れが変わるんや」「落ち着け」――。だが、ウラムさんの心配をよそに後輩はたくましかった。6回裏、1死二塁で谷が適時二塁打を放って1点差。「やったあ!」「頼もしくなったな。強いっすね」。体が小さく、へたくそな1年生だと思っていた彼らは見違えるほど成長していた。

■息子の姿は涙で見えず

 先発高橋直に代わって、7回から登板した芳山の父誠也さん(42)は、マウンドに立つ息子の姿がよく見えなかった。緊張と感動で胸がいっぱいだったからだ。

 小さい頃から甲子園にあこがれ、出身の神戸市を離れて香川西での寮生活を選んだ。母親の道子さん(42)は「息子が決めた道だから」と応援したが、内心は引き留めたい気持ちでいっぱいだった。試合前にメールを送った。「みんなで頑張る」と元気な返事が返ってきた。久しぶりに見た息子の姿に「一回り大きくなったな」と思った。

 芳山は2回を投げ無失点。「よく頑張ったな」。試合終了後、誠也さんは、あいさつに来た選手の中の息子を探したが、今度は涙でよく見えなかった。「また来年の夏、戻ってこいよ」(野田枝里子)


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