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「ゴジラ2世」と過ごした夏 金沢・松田駿甫選手

2008年08月13日

<石川代表 金沢> 出会いは去年の春だった。「『ゴジラ2世』が入ってくる」。松井秀喜選手と同じ中学出身の林昂平のうわさで、部内は持ちきりだった。自分と同じ一塁手。ポジション争いが激しくなると思うと、気が気でなかった。

写真金沢の松田駿甫選手

 力強い打撃に自信を持っていた。184センチ、89キロの体でベンチプレスは150キロ以上を記録する。しかし、林の打撃練習を見て息をのんだ。飛距離はもちろん、器用なバットコントロールで難しい変化球も簡単に打ち返す。自分にはない柔らかさ。「こいつにはかなわない」と思った。

 悔しさもあったが、すぐに親しくなった。学校からグラウンドへ向かうバスの席はいつも隣同士。タイミングの取り方や強い打球を飛ばす方法など、打撃についての話は尽きない。石川大会から林が使っている焦げ茶色のファーストミットは自分のものだ。グラブが壊れたため、「貸して欲しい」と頼まれた。

 初戦で無安打の林は、この日も2打席目まで快音なし。ベンチでアドバイスを求められた。「ボールだけを見て思い切り振ってこい」。3打席目、初安打は二塁打。試合後、「松田さんのおかげで楽に打てた」と言ってくれた。

 代打要員の自分には、地方大会から一度も出番が来なかった。でも、楽しみは来年に引き継がれる。甲子園のスタンドに飛び込む林の本塁打。本家も驚くような特大の一発を、あいつなら、きっと打ってくれる。(清水寿之)


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