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重かった背番号「1」 常総学院・島田隼斗投手

2008年08月05日

<茨城代表 常総学院>

写真先発し力投する島田隼斗投手

 6回裏2死満塁、2者連続押し出しの直後、カウント0―2からストライクを取りにいった真っすぐは高めに浮いた。打球は左翼席に吸い込まれた。3―12。試合を決定づける満塁本塁打に、島田隼斗君はうなだれた。

 甲子園の雰囲気にのまれ、1回からボールが先行する苦しい投球。全身を使わず、手先だけで投げていることは分かっていたが、修正はできない。茨城大会で1完封、1完投したのとは、別人のようだった。

 1回と2回の投球練習で、バックネットへぶつける大暴投を放っていた。「あんな島田は見たことがない」と捕手・飯田大祐君。3回裏、連続四死球や犠飛などであっさり先制点を奪われて、マウンドを下級生に譲った。

 本来、野手で気楽に打つ方が性に合っていたが、茨城大会までのエース土肥慎君の故障で、背番号は茨城大会の4から1に変わった。

 「もうお前しかいないよ」

 3対5で迎えた6回裏1死二、三塁、木内幸男監督は茨城大会を勝ち上がったのと同じ手法で、島田君を再びマウンドに送った。しかし、さらに7点を失い一方的な流れをつくってしまった。

 「代えてくれ」

 13点目を奪われた7回、島田君は何度もベンチをうかがった。しかし、継投できる投手は残っていなかった。「自分で責任を取れ――」。木内監督がそう言っているように見えた。

 最後の守りになった8回裏、先頭に安打を放たれたが3人で切り抜ける意地を見せた。9回表には1死一塁から、しぶとく三遊間を破って1点につなげた。

 「これだけ打たれたなら、あきらめもつきます。自分の打撃だけはできたと思うし」

 被安打6、与四死球8、失点9。たった1試合の背番号1は、さばさばとした表情で甲子園を後にした。(富山正浩)


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