ここから本文エリア

現在位置:高校野球>第90回選手権>広島> 記事

広陵、流れ呼べず 堅守の壁に好機阻まれ

2008年08月13日

 第90回全国高校野球選手権記念大会の広島代表・広陵は12日、2回戦で南神奈川代表の横浜と対戦し4―7で敗れた。上本の先頭打者本塁打で先制し、横浜を上回る11安打を放ちながらも、得意の機動力を封じ込まれた。昨年の選手権大会で逃した優勝の目標は果たせなかったが、全員で戦う姿勢を最後まで見せた選手たちは、胸を張って夢舞台を去った。

写真広陵―横浜 1回表広陵無死、上本は左越えに先制本塁打を放つ。捕手小田=日吉健吾撮影

 ◎…2球目をフルスイングすると、青空に映えた白球は左翼席に吸い込まれた。試合は1回、「1番打者として勢いをつけたい」と試合前に話していた上本の先頭打者本塁打で幕を開けた。さらに2回、再び上本が高めの球を左中間に運び2点目をあげる。試合中は表情をあまり出さない上本だが、二塁で思わずガッツポーズした。序盤から広陵ペースで進むかに見えた。

 ◎…森宗が中井監督から先発を告げられたのはこの日の朝。速球派の中田、制球力のある前田とともに広陵の三本柱と言われ、変化球のキレで勝負する森宗。6月の春季中国大会で20奪三振を記録してから調子を崩した。「優しいやつなんで、つい弱気になってしまう。でも3人の中で一番いいものを持っているんです」と中井監督は言う。「思い切ってな」と声をかけ、マウンドに送り出した。

 1回、得意のカーブが決まらず苦しんだが、バックの好守備もあり無失点で切り抜けた。縮んでいた腕が少しずつ大きくふれるようになった。2、3回に安打を放たれ同点にされ、中田にマウンドを譲った。「すごく緊張した。けれど、思い切って投げられたので悔いはありません」

 ◎…二塁手林と遊撃手上本は、昨年の選手権大会でも鉄壁の二遊間と言われ、チームを引っ張ってきた。

 昨年と違うのは、先輩に頼らず自分たちの力で甲子園に来た自負があることだ。順風満帆だったわけではない。昨年、新チームになってから選抜大会がかかった秋季県大会準々決勝で敗退。寮で同部屋の2人は毎日のようにどうすれば勝てるのか話し合った。朝の走り込み、動けなくなるほどのノック。2年半で一番厳しい練習を積んできた。

 ピンチでマウンドに集まったのは2度。2人は笑顔を見せ、「打たれてもいいから思いっきり投げろ。おれたちが取り返したる」と投手を勇気づけた。

 だが、勝ちたいという思いはチームに力みを生んだ。二盗を刺されたり、一塁走者が牽制(けん・せい)球でアウトになったりした。犠牲バントも二塁で封殺された。横浜の好守備もあり、機動力を生かした本来の野球を発揮できないままイニングを重ねた。

 「下を向きたくない」。それが林と上本の約束だった。試合後、林は目を真っ赤にしながら「日本一にはなれなかったけれど、結束力は日本一のチームだった」と胸を張った。(江戸川夏樹)


ここから広告です
広告終わり

このページのトップに戻る