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広陵、見せた本領 好打で仲間に恩返し

2008年08月08日

<広島代表 広陵> これぞ広陵野球――。試合開始3分後の降雨により、44分の中断はあったものの、広島大会で見せた集中打を選手権大会でも発揮。追いつかれてもすぐに引き離す粘りを見せ、三塁打3本を含む13安打で高知代表の高知に8―5で勝った。2回戦は、大会第11日に南神奈川代表の横浜と対戦する。

写真広陵―高知 4回表広陵2死一塁、橋本(右端)の適時三塁打で生還した一塁走者船木は、次打者長谷部(5)とタッチを交わす=金川雄策撮影

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 広陵が得意の集中打で先制したのは4回だった。下川が中前安打で出て林が右前安打で続き一、二塁。有水の犠打で二、三塁。次打者は倒れたが、ここで打席に立ったのは中田。一番得意だという高めの直球が来た。迷わずスイング。「頼むからぬけてくれー」。打球は右中間を抜けた適時三塁打に。

 その後も、勢いは止まらない。「無心で打った」という船木の右前安打、「いったるわー」とフルスイングした橋本の中越え三塁打、「投手を助けたい」と思いながら放った長谷部の左中間越え三塁打で計5点を先制。勝負は決まったかと思われた。

 先発した中田は「任された限りは打ち取りたい」と気合を入れて試合に臨んだ。なにがなんでもチームに貢献したいと、3日前に投球フォームを変えたという。得意の速球は自己最速の148キロを計測するほど好調。その半面、変化球がほとんど決まらず苦しんだ。6回に四球に安打を絡めて3点をかえされた。さらに7回、先頭打者に対しストライクが入らない。四球を与えた場面で前田にマウンドを託した。7回途中まで7奪三振だったが5四球を与えた。「ばててました。もっとしっかりしなきゃと思ってたんですが」

 前田は交代した直後に連続二塁打を浴び同点にされた。さらに1死三塁で逆転されそうな場面。

 カウント0―1の後の2球目は、ストライクを狙いにいった。しかし、打者の一瞬の動作で察知した。「スクイズが来る」。すでに投球動作に入っていたが、修正してさらに低めに投げた。打者は球に当てることができず、飛び出してきた三塁走者は三本間に挟まれアウト。前田の一瞬の判断が、相手に傾いていた流れを大きく変えた。

 8回1死二塁で中田に打席が回ってきた。「投球が悪かった分、打つ方でチームに貢献したい」。深呼吸をして腕の力を抜く。低めの直球で打ちやすい球ではなかった。だが「絶対に打つ」という気持ちを込めてバットを振った。打球は右翼手の前にぽとりと落ちた。大歓声が聞こえた一塁ベースで、大きく拳をつきあげる。同点にされた直後の勝ち越しの6点目が入った。この日3打点。チャンスを絶対にものにして監督や仲間に恩返ししたいという思いは人一倍強かった。「勝ったときは本当にうれしかった。次の試合もがんばりたい」


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