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エース2人、互いに刺激 聖光学院3年生継投

2008年08月17日

<福島代表 聖光学院> 佐藤竜哉(3年)の最後の夏は、わずか22球で幕を閉じた。先発のマウンドに立った仲田浩人(同)を6回から救援したが、いきなりの3連打で2点を失い、さらに四球で走者をためて満塁本塁打を浴びた。打者8人で6失点。2死しか取れずにベンチに下がった佐藤竜は、帽子を取って「ごめん」と頭を下げた。

写真聖光学院―横浜 力投する聖光学院先発の仲田=西畑志朗撮影
写真聖光学院―横浜 先発仲田に代わり、6回から登板した佐藤竜

 その視線の先には、降板後に肩を冷やしていた仲田の姿があった。

 チームを初のベスト8に引き上げた左腕の佐藤竜は、「仲田がいたからこそ、自分も成長できた」と言う。

 入学した頃は目立った投手ではなかった。相手打線をかわす投球だったが、痛打されることも多かった。レベルの高い仲田ら同学年の投手陣に割って入るため、決め球の習得に取り組んだ。

 昨夏の福島大会前、右打者の外角へ逃げるように落ちるスクリューボールを覚えてから、自信を持って相手打線に立ち向かえるようになった。

 その決め球が加古川北戦と市岐阜商戦ではさえた。2試合で計18三振を奪う好投。そんな佐藤竜の姿をブルペンやベンチから見ていた仲田は「自分も甲子園のマウンドで投げたい」と発奮した。

 そして、この日の先発マウンド。しかし、横浜打線の振りの鋭さは仲田の制球まで狂わせ、5回までに5失点。「流れを変えなきゃ」と思うほど、本来の打たせて取る投球に焦りが出た。

 ブルペンで準備をしながら、マウンド上の仲田に心の中で「頑張れ」とエールを送った佐藤竜。その佐藤竜にマウンドを譲った後、ベンチから祈り続けた仲田。「2人のエース」(斎藤監督)の思いは届かなかった。しかし、2人の目に涙はなかった。(丹治翔)


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