ここから本文エリア

現在位置:高校野球>第90回選手権>福島> 記事

力み・痛み、忘れ活躍 聖光学院・安田選手

2008年08月14日

<福島代表 聖光学院> 「抜けろ!」

 6回2死二塁、自らのバットから乾いた金属音を響かせながら、安田将司(3年)は心の中で叫んだ。高めの直球をたたきつけるように流し打った球は、左翼手の頭上を越えてフェンス手前へ。菅野修平(同)が生還し、試合を振り出しに戻した。

 走塁でも見せた。続く佐藤竜哉(同)の左前安打で二塁から本塁に頭から突っ込み、勝ち越しのホームイン。顔のけがのことは、すでに頭になかった。

 初戦の加古川北(西兵庫)戦を翌日に控えた7日、最後の守備練習の時にイレギュラーした打球が眉間(みけん)を直撃した。試合には強行出場したが、6打数無安打。大きく腫れた顔が痛々しかった。

 市岐阜商戦までは全体練習以外のほぼすべての時間を治療に費やした。チームに同行する整体師の村田愛子さん(50)の部屋で、患部に微弱な電流をかけて筋肉をほぐしたり、氷水で冷やしたりして腫れを引かせることに専念。夜の日課の素振りもできずにストレスがたまったが、グラウンドに立つためにベッドの上でひたすら我慢した。

 この日も痛み止めを飲んで出場した。打順は1番から7番に下がったが、「特に何も感じなかった。与えられたところでチームに貢献しようと思った」。それよりも初戦で力みが出てしまったことを反省し、まっさらな気持ちで打席に入ったのが奏功した。

 同校初のベスト8。04年に16強入りした時のメンバーでもある兄の竜司さん(21)の背中を追いかけてきた安田にとって、格別の1勝となった。今大会、兄は仕事の都合でまだ応援に来ていないが、「勝ち進めば駆けつける、と言っていた」と安田。甲子園という大舞台で自分の雄姿を見てもらうまで、負けられない。(丹治翔)


ここから広告です
広告終わり

このページのトップに戻る