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主将の責任、2点弾 関東一・広瀬公秀選手

2008年08月11日

<東東京代表 関東一> 打った瞬間に本塁打とわかる打球。4回裏2死一塁、初球の低めに入った直球を振り抜くと、バックスクリーン脇にそのボールは飛び込んだ。スタンドに響く大歓声。だが、広瀬公秀主将(3年)は顔色も変えず、ダイヤモンドを淡々と回った。

写真鳴門工―関東一 4回裏関東一2死一塁、広瀬は中越え2点本塁打を放つ。捕手佐藤=竹花徹朗撮影

 「うれしいっていうより、打席で守備のミスを取りかえしたい気持ちが強かった」

 4回表。右前に飛んできた打球を処理し損ね、相手に2点を許した。責任感の強い主将は、初回の先制打を含め計3打点の活躍にもはしゃがず、自分の失策を悔やんだ。

 「みんなでつなぐ野球」。東東京大会から、ずっとチームに言い続けてきた。

 原点になったのは今春の都大会。第1シードながら、初戦の明大中野八王子戦で延長13回サヨナラ負けを喫した。「あのときが最悪。みんなバラバラだった」

 21年ぶりの選抜出場を果たした直後。「甲子園に出られたからいいや」。そんな雰囲気を感じた。個人の結果ばかりを気にしてチームにまとまりがない――。

 一からチームを立て直そうと決意した。寮生活から見直した。スリッパをそろえたり、小さなゴミを拾ったり。普段の練習でも「何のためにこの練習をしているのか」を徹底的にみんなで確認した。

 母徳子さんは「選抜が終わってから、自分にも他人にもより厳しくなった」と話す。

 高1の秋から毎日つけているA4判の野球ノート。春以降はチームについて書くことが増えた。「安打を打っても、四球を選んでも次につながればそれでいい」。主将の目は早くもその「次」に向いていた。


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