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マウンドに笑顔運ぶ 伝令でチームに貢献 報徳・小沢投手

2008年08月16日

<東兵庫代表 報徳学園> 5回裏。1点取られ、なお1死一、三塁。伝令として小沢聖輝投手(3年)がベンチから走る。マウンドで口ずさんだのは倖田來未の「I’ll be there」。集まった内野陣に笑みが広がった。その後、エースの近田怜王投手(3年)が2者連続凡退に抑える。「自分が行ったときは必ず笑顔を作る」。それが小沢の仕事だった。

写真伝令に走り、笑顔で話しかける小沢聖輝選手=15日、阪神甲子園球場、日吉健吾撮影

 背番号は「11」。多彩な変化球を駆使する技巧派の左腕だ。1年の秋からベンチ入り。だが、今年3月から制球に狂いが生じた。練習試合で甘い球を次々と打たれた。いろいろ試したが、理由はわからなかった。

 東兵庫大会の開幕を数日後に控えた6月下旬。なんとかメンバーに入れて、ほっとした。だが、入れなかった3年生が傍らで泣いていた。その姿を見て、考えた。「自分は調子が悪くてもメンバーに入れた。チームに貢献できるのはどんなことだろう」

 東兵庫大会から伝令に走るようになった。自分も投手なので、マウンドの投手がどんなことを考えているのかよくわかる。リラックスさせようと、スガシカオの曲を歌ったり、指にスマイルマークを油性ペンで描いて仲間に見せたり。工夫をこらし、笑いを誘ってきた。

 甲子園で投げるために滋賀県から報徳学園に入った。正直、投げられなかったのは悔しい。でも、伝令という役割を見つけてチームに貢献できた4試合だった。「あっという間だったけど楽しかった。自分にとっての甲子園は100点満点」。敗戦の悲しみをこらえながら、小沢は最後まで笑顔を貫いた。


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