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ベンチから励まし続ける 報徳学園・東文哉記録員

2008年08月14日

<東兵庫代表 報徳学園> ベンチでスコアブックをつけるのが記録員。だが、報徳学園の3年東(あずま)文哉記録員(18)は、ベンチから身を乗り出すようにしてグラウンドを見つめて声を出す。苦しみながらマウンド上で力投する近田怜王投手に「みんながついてるぞ」と叫び続けた。仲間を励まし、ベンチの雰囲気を盛り上げるのも東の重要な仕事だ。

写真ベンチから声をかける報徳の記録員の東文哉君

 東は大阪府大東市出身。小学2年で野球チームに入った。中学時代に報徳学園の試合を見た。「元気があって、いい野球をするなあ」。選手とベンチ、スタンドが一丸となっていた。自分もその輪に入ってみたかった。

 いざ入部すると、想像を超える厳しい練習が待っていた。2時間近くダッシュを続けて基礎体力をつけるメニューがあった。一塁手だが、ベンチ入りは難しかった。くじけそうになったが、自分を報徳学園に送り出してくれた家族のことを思うと辞めるわけにはいかなかった。

 今年の春。春季地区大会で敗退したチームの雰囲気は「どん底」だった。上昇のきっかけの一つが、主力以外の3年生の奮闘だ。西宮市の高校が夏の大会を前に競い合う「西宮市内大会」。報徳学園は3年の控え中心で出場し、11年ぶりに優勝。「報徳の看板を背負っている以上、負けられなかった」。優勝の決勝打を放ったのが東だった。

 甲子園でベンチの盛り上げ役として記録員に指名された。大会期間中に報徳学園の選手が泊まっている神戸市中央区の宿舎では毎朝、誰よりも早く起きる。他の選手を起こして回ったり、体温を測ったり。第2試合だった10日には、午前3時半に起きた。

 13日の試合でも、仲間に声をかけ続けた。ついに8強。「優勝のスコアを僕が最後につけたい」。東の仕事はまだ続く。(鈴木康朗)


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