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本荘こぼれた1勝 9回長打で逆転、直後暗転

2008年08月05日

 最終回に長打で逆転、だがその裏、池田恭介投手の179球目の直球がはじき飛ばされた――。甲子園大会で、本荘は4日、鳴門工(徳島)と対戦、3―4で逆転サヨナラ負けをした。選手たちの顔やユニホームは汗と涙、土で真っ黒だ。県勢として夏の大会は初戦11連敗となったが、甲子園球場の1万4千人の観客からは「よくやった」「すごい試合だった」と拍手が鳴りやまなかった。

写真本荘―鳴門工 9回表本荘2死三塁、池田は右越えに勝ち越しの適時二塁打を放ち、ガッツポーズで一塁をまわる=日吉健吾撮影

 

 歓喜と涙が9回に交錯した。1点を追う9回表、本荘は、この日、これまで無安打の4番吉尾が打席に立った。ねんざしている左足首にはガチガチにテーピングがされている。秋田大会から、ずっと隠してきたけが。追い込まれた後の4球目、スライダーを右前に打ち返した。「好機に打てなくてみんなに申し訳なかった。絶対打ちたかった」

 1死後、好守を続ける阿部が真っ黒のユニホームでバットを握った。2球目の直球をたたいた。打球は左中間を破った。吉尾が痛む足をひきずり、一塁から本塁まで走り抜ける。2―2の同点だ。

 続く7番吉田が左翼フェンス深くに放った飛球の間に、二塁阿部が進塁。打席に向かったのはエース池田だ。「甘く入ったカーブに体が反応した」。伸びた打球は、右翼手のグラブの先端をかすめ、こぼれ落ちた。3―2の逆転。

 スタンド。地響きのような歓声。そして青と黄のメガホンが激しく揺れる。上半身をはげしく前後させる本荘伝統の応援も目立つ。ベンチ入りを外れたが、応援をリードした白瀬喬彦君(3年)は後輩の野球部員たちにメガホンでたたかれた。「打ってくれると思っていた。うれしい」

 9回裏、勝ち越し打を放った池田がマウンドに上がった。しかし制球が定まらない。1死二塁から、本塁打を打たれている安岡を敬遠した。「したくなかった。集中力が切れた」。直後、この試合10個目の四死球を出し、満塁のピンチを迎えた。

 「疲労がたまり、変化球が決まらなくなっていた」(片村捕手)。左前打で同点とされた直後だった。松浦健に投じた直球が内側に甘く入った。打球は左翼手阿部が伸ばしたグラブを越え、左翼フェンスを直撃した。球が外野に転がる。試合が終わった。

 秋田大会の5試合を投げ抜き、関西入り後は日射病に苦しんだ池田。179球を投げ終えたエースは、マウンドでうつむいたままだった。


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