ここから本文エリア

大阪ニュース

笑顔で励まし最後まで 大阪桐蔭・岡田雅利捕手

2007年07月31日

 「落ち着いていこう」。大阪桐蔭の捕手・岡田雅利君(3年)は、マウンドの中田翔君(同)に声をかけた。1回、いきなり3点を奪われていた。

写真大阪桐蔭の岡田雅利捕手=舞洲球場で

 岡田君は、明るい笑顔で仲間たちを鼓舞してきた。その笑顔がなくなっていた。「スライダーが狙われている。それを投げさせた自分のミスだ」。「落ち着いて」のかけ声は、自分に対する言葉でもあった。

 岡田君は中学時代、硬式野球チームに入っていた。高校で中田君の球を受け、「こんな速い球を投げるやつがいるのか」と驚いた。

 1年の夏、部を辞めたいと漏らした時、中田君から引き留められた。「お前が辞めたらキャッチャーがおらへんようになる」

 逆に中田君が昨春の府予選で右ひじを痛めてからは「お前の球は打たれへん」と励まし続けた。「中田は高校生で一番すごい投手」。その球を受けられることに誇りを持ってきた。

 中田君は2回以降、毎回先頭打者を走者に出しながらも、5回途中まで無失点に抑えた。岡田君は「ボールから3年間の思いが伝わってきた。一生懸命に粘りの投球をしてくれた」。

 9回表、金光大阪にだめ押しの追加点を許した。「もう終わりかもしれない」。ベンチに戻ると涙が止まらなくなった。

 しかし、その裏、連打などで1点差に迫った。主将の丸山貴司君(同)がベンチから最後までしっかりと大きな声を出しているのを見て自分も続いた。

 「全国一」を目指し、大阪大会3連覇を狙っていた大阪桐蔭。試合終了後、ベンチ内で泣き崩れ、うつむいて立ち上がれなくなった選手ばかりだった。

 「粘ったやんけ、最後まで」。岡田君はひとり涙混じりながら笑顔で手をたたき、しゃがみこむ仲間たちの肩を抱え上げた。


ここから広告です
広告終わり

このページのトップに戻る