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広陵(広島)ニュース

「ようやった」飛びかう声 広陵応援団

2007年08月23日

 深紅の優勝旗をこの手に――。アルプス席に詰めかけた約3千人は、悲願の初優勝へ向けて思いを一つに試合に臨み、懸命に白球を追う選手を大声援で後押しした。試合は序盤から相手を圧倒。だが終盤、信じられない光景が待ち受けていた。アルプス席は歓声と悲鳴が交錯した。6試合を力いっぱい戦った選手たちは、見ている者に勇気を与えてくれた。「ありがとう」「よくやった」。ねぎらいと、惜しみない拍手はなかなかやまなかった。

写真声をからして声援を送るスタンドの生徒たち=22日、阪神甲子園

 試合開始前、アルプス席で野球部員らが円陣を組んだ。3年の松崎龍太郎君(17)は「優勝し、中井先生を胴上げして、最高のプレゼントにしたい」と気合十分だ。

 2回表、1点を先制し、なお2死満塁の好機に、櫟浦大亮君が左前適時打。熱気は早くも最高潮だ。櫟浦君の父・修生さん(52)は「小さいときから負けん気が強かった。昨日は安打がなかったので、打ってくれると思っていた」と笑顔。応援に駆けつけた藤田雄山知事は「まだまだこれからが大切」。秋葉忠利・広島市長も「野球は9回まで分からない」と力を込めた。

 その後両チームとも譲らず、試合は膠着状態に。広陵1年の有里桃子さん(16)は「勝つと信じている。声援が選手の力になれば」。

 7回表、野村祐輔君の左中間二塁打で2者生還。待ちに待った追加点だ。野村君の母・真由美さん(44)は「楽になった」と喜びながらも「終わるまで、落ち着いて投げてくれれば」。

 8回裏、1死満塁から1点を返され、なおもピンチ。相手の応援もすごいが、こちらも負けてはいない。「頑張れ、頑張れ、野村」。球場全体が地響きのような歓声に包まれた。

 しかし、鋭い金属音が歓声をやぶり、打球は左翼席に吸い込まれた。逆転満塁本塁打。涙ぐみ、うつむく女生徒の姿も。福原紘治郎校長はすぐさま「もう1回ある。彼らなら、きっと頑張ってくれる」。

 広陵なら必ずやれる――。みんながそう信じた最終回、野村君のバットが空を切り、試合終了。アルプス席は一瞬、静寂に包まれた。

 試合を終えた選手たちがアルプス席の前に整列すると、「ありがとう」「ようやった」と次々に声が飛び、「広陵」コールが起きた。3年前のマネジャーで広島修道大3年の原大志さん(20)は「広陵にとってはすごく価値のある準優勝だと思う」。主将の土生翔平君の母・秀子さん(48)は「ありがとう、ご苦労様と言ってあげたい」。


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