検索とメインメニューとばして、このページの本文エリアへ検索使い方
現在位置 : asahi.com > 高校野球 > 第88回選手権 > 総合ニュース > 記事ここから本文エリア

高校野球総合ニュース

体罰を語る5完 長所ほめ自主性尊重を 渡辺公二氏

2006年06月17日

 68年に赴任し、5年ほどして西脇工はいじめ、校内暴力などで荒れ始めました。ある保護者から「帰りに道草できないくらい部活動で鍛えて」とも言われ、厳しく指導しました。

写真

兵庫・西脇工高陸上部監督、渡辺公二氏

 練習を怠けたくて倒れたふりをする選手の頭から水をぶっかけ、うそをついて練習をさぼり、バイクを乗り回していた生徒に手をあげました。走り込ませてしごき、時には体罰も辞さない。その姿勢で82年に男子が都大路で初優勝しました。

 ところがそれから県予選で報徳学園に6連敗。「勝てない。何でだろう」。悩んでいたときに先輩に言われたのが「負けるのは指導者のせい」という言葉。陸上は駅伝でさえ、走っているときは1人。敵が周りを取り囲み、精神面が左右する競技です。なのに私は走る前から選手を追いつめていました。「走れんかったら怒られる」と選手は縮こまり、時には眠れなかったと言います。

 それからです。殴るのもやめて、練習も選手に任せました。長所を見つけては褒めることを心がけました。するとのびのびと楽しそうに、自分から練習するんです。90年に2度目の優勝をしてから02年まで、2度の連覇を含めて7度の優勝。成績も付いてきました。

 陸上も体罰は減ったと思います。以前は合宿で他校の先生が選手を殴る光景をよく見ましたが、近年は全く見ません。

 今、思うに体罰に教育的効果なんてありません。生徒は殴られたことだけを覚えています。殴った方もいい気分だったことは一度もありません。昔の教え子と会うと「先生によく殴られて……」なんて言いますが、目を見ると「ためになった」とは一言も言っていない。そのたびに私も「もっと言葉で納得させることはできなかったのか」と悔やんでいます。(聞き手・岡田健)=おわり

 *

 わたなべ・こうじ 兵庫・西脇工高陸上部監督。福岡県出身。日体大卒。全国高校駅伝の男子で計8度優勝。女子でもシドニー五輪女子マラソン7位の山口衛里らを育てた。98年に定年退職してからも体育の臨時講師として同校の指導を続ける。68歳。


ここから広告です
広告終わり
▲このページのトップに戻る
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
| 朝日新聞社から | サイトポリシー | 個人情報 | 著作権 | リンク| 広告掲載 | お問い合わせ・ヘルプ |
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.