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「弱いハート」一皮むけた 横浜・西嶋一記投手

2006年07月30日

 甲子園春夏連覇の挑戦権を横浜が手にした瞬間、空に向かって両手を突きだした。

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試合終了でガッツポーズする西嶋

 渡辺元智監督が「素質はナンバーワン。だがハートが弱い」と言い続けていた左腕、西嶋一記君(3年)。振り下ろしながら、何を叫んだのかは覚えていない。選手の緊張がピークに達する決勝の舞台。最後の場面にマウンドにいたのは、西嶋君だった。

 球威のある速球とキレのあるカーブを武器に、中学時代シニアの全日本選抜チームに選ばれた。横浜でもエース候補だった。

 しかし、そう簡単にはいかなかった。

 忘れられない場面がある。2年前の秋季県大会。準決勝で慶応と対戦した時だった。6回2死満塁、代打に、後に主将になる慶応の平川敬悟君(3年)が送られた。内角に投げた球をたたかれた。「まさかないだろう」と思った打球は、代打逆転満塁本塁打になった。この試合後も満塁や走者を置いて打たれる場面が続き、西嶋君は「満塁恐怖症」と言われるようになった。

 「自分ではそんなことはないと思うんですけど結果がすべてです」。渡辺監督はことあるごとに「西嶋はピンチに弱い」と話した。期待の裏返しだった。

 原因は、力みにあった。「ピンチのときこそ8割の力で」。自分に言い聞かせた。今大会ではひじを上げるときの動作が小さくなって制球が安定したこともあり、調子も上向いていた。

 この日、7回に先発の川角謙君(3年)が7点目を奪われ、出番がきた。「川角は準決勝で完投している。いつでもいけるように準備していた」。7、8回を6人で抑えた。しかし、最終回、安打で走者を許すと、慎重になりすぎて続く打者に四球を与えた。伝令で川角君がやってきた。渡辺監督の言葉をそのまま伝えた。「楽しんで投げろ」

 「力まない」。「満塁恐怖症」から抜け出るためにテーマにしてきたことを思い出した。大好きな長渕剛の曲を思い浮かべる。力みが取れた。今大会で3本塁打を放っている強打者、田中大二郎君(3年)が打席に立っても動じない。得意のカーブで、セカンドゴロにうち取った。

 優勝旗を持った行進が終わった後、整列していると、後ろから肩をたたかれた。「一皮むけたな」。渡辺監督の言葉がハートに響いた。

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