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亡き父の教え、貫いた夏 横浜創学館・秋山君

2006年07月27日

 4回裏。無死一塁で横浜創学館の3番秋山翔吾君(3年)が打席に入った。腕を肩の高さまであげてバットを素直に振る。亡き父に教わったいつも通りのスイング。狙い球の変化球を右前にはじき返し、チャンスを広げた。

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構える横浜創学館の秋山選手

 昨夏の神奈川大会。2年生ながら2番打者として4試合に出場し、13打数4安打と活躍した。ただ、5回戦の桐蔭学園戦は無安打に終わり、チームも完封負けを喫した。

 「自分の結果に満足できなかった」。新チームに移行後、打撃フォームの改造に取り組んだ。脇を軽く締めてバットを振る形から、左腕をあげてバットを振るようにした。スイングスピードがあがり、長打も打てるようになった。ふと気づくと、小学生の時に父親の肇さんに教えてもらったフォームに戻っていた。

 野球をやっていた父の影響で、秋山君は物心ついた時にはバットを振っていた。右利きなのに左打ち。一塁ベースに近くなるよう、父にしこまれた。練習場所は家の近所の神社。今でもチームの練習がない日はそこで素振りをする。

 12歳の時、父は胃がんで亡くなった。入退院を繰り返し、栄養を点滴でとるようになってからも、ノックや走り込みにつきあってくれた。厳格な父だった。

 今夏の大会前、墓前で「最後の夏。全力でプレーする」と誓った。

 チームは、ノーシードながらベスト8まで勝ち上がった。準々決勝相手の横浜には昨秋と今春の大会で敗れた。春は序盤にリードしながら、4回の守備時に秋山君が手首を骨折。その後逆転負けした因縁があった。

 この日の対戦は、相手の強力打線を前に大量リードを許す苦しい展開。

 7回裏。点差は10点。二死満塁で打席には槙野陽介君(1年)。次打者席には秋山君が控えた。「おれまで回してくれ」。そう願ったが、槙野君は三飛に倒れ、試合終了。「終わっちゃったな」。少しの間、下を向き、うなだれた。父に報告する言葉は「まだ、見あたらない」。

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